因みに正直者は馬鹿を見て損をするかといっても決してそうではない。
嘘をついたり偽ったりしないことは、専ら信頼されたり尊敬されたりするためのことではなく、体裁上の断乎たる結論などは避けつつ言い切れないそれをも疑わずにして自らが規定することにある。
媚びずにスッパリと回り口説くなく躊躇うことなくハッキリとして、隠れ猫背にならず、簡潔で分かり易く直ちに裁決する公明正大さは、簡明直截として納得できるうる答え(応え)がある。
つまり、それが自らの粘りと歯応えなのである。
悪賢い者がズルく立ち回って自ら利益を得て得をするのに対し、自らが臆することなく屈せず立ち続けることによって必ずや得るものがあるだろう。
たとえば世の中が乱れて正しい事がなかなか通らないのだとしても、回避や妥協なしに率直堂々として不屈でありさえすれば、意欲が沸いて自他共に物事を成り立たせることができる。
必ずしも独り善がりにならず、批判的になったりせず、繊細だとか複雑だとか持って廻ったものにはせず、抽象的且つ象徴的な表現を避けるとか、認識の齟齬が生じうる言い回しは避けるとか、そのように婉曲迂遠なしにできるのかできないのかは、挑戦し甲斐のある意欲を湧き起こす自分次第。
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