思創考造 Cognigenesis thinking 第Ⅲ部:間 章「生成」

 

 
Cognigenesis  Part-Ⅰ  Part-Ⅱ  Part-Ⅲ  Part-Ⅳ
Fire Breathing Perigraphic notation
Essay (extarnal websites)
 

 

 
     
 

 

Bicycle Wheel, 1913/1964. Marcel Duchamp (1887 – 1968), République française. The Museum of Modern Art (MoMA) is an art museum located in Midtown Manhattan, New York City.

 

《Bicycle Wheel》──“回転する問い”

•象徴性:
◦「見ること」と「動くこと」の奇妙な結合。
◦運動=生成、しかし車輪は行先を持たない=場の生成。
◦思考が「意図」ではなく「触発」や「反復運動」によって生まれることを示唆。
•響き合うキーワード:生成の回転、自己運動、無目的の跳躍、生成の駆動。
”生成”の《Bicycle Wheel》と”視座”の《Fresh Widow》の挿絵図像二点は、デュシャンの作品中でも特に《生成=反転された知覚》の構造が鮮やかに現れており、『思創考造』という知的旅の終盤における最後の捩れとして、非常に相応しいもの。

ー視覚と思想の跳躍の連鎖ー
──「空間・時間・次元・知覚・象徴の探究」

強い比喩的意味と生成的象徴性を帯びる挿絵図像の配置は、視覚と思想の跳躍の連鎖、空間・時間・次元・知覚・象徴の探究が通奏低音のように通って、『思創考造』の章構成と呼応し、「図像と思想が共鳴して生起する場=“共観の場”*」を形成。
深く共鳴する挿絵の図像により、”思想と視覚の交差点”がいっそう鮮明になり、『思創考造』という「生成する思考体」が、図像の跳躍軸を得て「生成の余白」と共に呼吸し始める。

《M.デュシャン》

意味と物質の転位、芸術と思考の概念的跳躍。思考行為そのものへの問い。生成の「閾」。
画像:”大ガラス” ”自転車の車輪” ”窓” などのレディメイド作品。
•主題的共鳴:「知性」「概念」「転位」「跳躍」「不可視性」
•空間論的意義:見るという行為そのものをズラし、概念として再定義する。
•思想的重なり:「創造とは何か」「見るとは何か」「作品とは何か」=生成を概念化し、反転させる。
•象徴する問い:「意味は誰が作るのか?」「生成とは“意図”なのか、“ずれ”なのか?」。

 

 

 

 

本 編:『 思創考造 Cognigenesis PART-Ⅰ 』

序 章:「思考と創造の生成的連鎖」
第1部:「思考と創造の交差点」
第2部:「思創考造の力風」
間 章:「生成の招待状」
第3部:「実地サイクル」
間 章:「共観・生成・視座」
章 節:「生成具体場」
間 章:「生成への招待図」
第4部:「生成と構築」──生成の”新たな次元”
第5部:「生成世界と創造世界」──《最終章》

続 編:『 思創考造 Cognigenesis PART-Ⅱ 』

 

 

思創考造 Cognigenesis thinking 

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DESSIN ー ” デッサン生成思考/創造 ” ー CREARE

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本 編:思創考造 Cognigenesis thinking
間 章:「生成」

 

 

思創考造 Cognigenesis thinking:「共観」
思創考造 Cognigenesis thinking:「生成」
思創考造 Cognigenesis thinking:「視座」

 

 

思創考造 Cognigenesis thinking:「生成」

 

 

生成(Becoming / Genesis)。

・・・・・ 状態ではなく、「状態が立ち上がる動き」そのもの。
その本質は、予測できない“跳躍”と“編成”。
「創造される私」と「生成される世界」が交錯する振幅。・・・・・

生成とは、出来事と存在が“あいだ”で交差し、差異と変容を織り込みながら、常に“まだ在らぬもの”を開いていくプロセスです。

 

 

❶ 固定化への抵抗
(Anti-being)

生成は「完成された状態」や「確定した実体」への到達ではなく、
常に変わり続けること自体が本質です。
それは「なる(becoming)」の運動であり、「ある(being)」の停止ではない。

❷ あいだにおける関係性の動態
(Relational Interstice)

生成は単独の主体内部で起こるのではなく、「私」と「世界」や「他者」とのあいだで起こる。
この「あいだ(in-between)」には、裂け目・揺らぎ・跳躍点が宿る。

❸ 差異と時間の編み込み
(Differential Temporality)

同一性の持続ではなく、差異が重なり、時間のうねりの中で構成される過程。
微細な変化、ズレ、断続が生成のリズムとなる。

❹ 関与と触感の出来事(Participatory Event)

生成は観察的に捉える対象ではなく、身体的・精神的に関与する経験。
触れること・立ち止まること・問うことによって、生成は開かれる。

❺ 未知の胎動
(The Becoming of the Not-Yet)

生成は、「すでにあるもの」を磨くことではなく、
“まだ見ぬもの”を内包し、呼び込むこと。
そこにおいて、未来が潜在的に現在へと胎動する。

 

 

◉一文に凝縮すると:

生成とは、触れ、揺れ、問うことによって、〈私と世界のあいだ〉に、いまだ形をもたぬ未来の可能性を開いていく、差異と関係の連続的出来事である。

 

 

◾️1. 歴史的生成
(Historical Genesis)

時間の積層・出来事の連鎖・人間の活動における生成
• 意味:歴史的文脈のなかで、文化・制度・価値・言語・主体などが生成・変容してきたプロセスを指す。
• 代表例:
◦ ヘーゲル:精神の自己展開としての歴史(精神の弁証法的生成)
◦ フーコー:ディスクールの変遷(知の考古学・系譜学)
◦ コゼレック:時間概念の変容と歴史的経験の生成

 

◾️2. 自然的生成
(Natural Genesis)

物質・生命・環境などの自然世界における自発的・過程的生成
• 意味:生命の進化、物理現象、生態系の変化など、人為に還元できない生成。
• 代表例:
◦ アリストテレス:自然の内在的目的性(エネルゲイア・テロス)
◦ ベルクソン:エラン・ヴィタル(生命の跳躍としての生成)
◦ シモンドン:個体化と未分化な場からの生成

 

◾️3. 存在的生成
(Ontological Genesis)

存在そのものが生起し、現れるという根源的な生成
• 意味:事物や主体が「存在すること」に至る根本的なプロセス。
• 代表例:
◦ ハイデガー:存在の問いとしての生成(生成=現存在の開示)
◦ メルロ=ポンティ:知覚される世界の現れの生成
◦ 白川静:文字・意味・形の原初的な生成=存在の開き(文字学的生成)

 

◾️4. 心的生成
(Psychical Genesis)

感情・意識・知覚・主体性の生成
• 意味:心の内容、主体の意識、感情の流れ、思考構造がどのように生まれてくるか。
• 代表例:
◦ フロイト:欲望とトラウマの構造(無意識の生成)
◦ デカルト以降:意識中心の近代的主体の構成
◦ 現象学:身体的・意識的体験としての世界の生成

 

◾️5. 認識的生成
(Epistemic Genesis)

知識・意味・世界理解の構造が生成すること
• 意味:世界を「いかに知るか」が固定的なものではなく、認識枠組そのものが生成されるという視点。
• 代表例:
◦ カント:アプリオリ形式と経験の交錯による認識の構成
◦ フーコー:エピステーメの歴史的生成
◦ ラトゥール:科学的事実の生成は社会的にも媒介される

 

◾️6. 技術的生成
(Technogenetic Genesis)

技術・メディア・道具・人工物による生成
• 意味:技術によって人間の身体・知覚・社会・環境が変容していく過程。
• 代表例:
◦ スティグレール:技術は人間の外部記憶であり、生成の条件でもある
◦ シモンドン:技術的対象もまた個体化する
◦ メディア論:映像・音声・ネットワークによる知覚・記憶の変容

 

◾️7. 社会的生成
(Social Genesis

関係性・制度・ルール・価値が生成される動態
• 意味:社会的な存在が関係や相互作用によって構成されること。
• 代表例:
◦ ブルデュー:ハビトゥスとフィールドによる生成的再生産
◦ メイヤスー:因果性そのものが生成しうるという潜在的可能性

 

◾️8. 身体的生成
(Embodied Genesis)

身体を媒介とした世界との関係の中で生成すること
• 意味:思考や感覚は身体を通じて生成され、身体が場に応じて変容する。
• 代表例:
◦ メルロ=ポンティ:身体=知覚の場としての生成
◦ インゴルド:生活の線的運動=生きられる生成の空間

◾️9. 芸術的生成(Aesthetic Genesis)
美的感性、表現、創作、作品のうちにある生成
• 意味:芸術は「完成された作品」ではなく、「生成しつづける場」であるという立場。
• 代表例:
◦ デュシャン:作品の枠を外すことで生成的経験を促す
◦ ジル・ドゥルーズ:芸術は「感覚のブロック」=生成的構成

 

◾️10. 倫理的生成
(Ethical Genesis)

関係性のなかで現れる倫理の場としての生成
• 意味:倫理とは固定された規範ではなく、「出会い」や「応答」によって生成される動態。
• 代表例:
◦ レヴィナス:他者との出会いにおける倫理的生成
◦ ブーバー:「我-汝」関係としての応答的存在

 

◾️11. 詩的生成
(Poetic Genesis)

言葉・詩・比喩を通して生まれる生成
• 意味:言語は「意味の運搬体」ではなく、「生成の力動場」であり、詩的表現は世界の開示に関与する。
• 代表例:
◦ ハイデガー:詩は存在を開く言語行為である
◦ ブランショ:詩的言語は終わらない生成を孕む

 

◾️12. 思考的生成
(Cognitive Genesis / Cognigenesis)

*『思創考造 Cognigenesis thinking 概念』と連関

思考そのものが生まれる場としての生成
• 意味:「考えること」自体が、固定された認知過程ではなく、「問い」「跳躍」「共観」によって生成してゆく運動である。
• 関連:『思創考造』での中心的な視点。「思考と思考のあいだ」「跳躍点」「中動態」などが関与する生成の場。

 


おそらく、「デュシャン:作品の枠を外すことで生成的経験を促す」というくだりに続いて、「~的生成」という形で何かカテゴリ化されるべきでもあり、以下のような名称が適切に整理できます。

 

◾️制度的生成
(Institutional Genesis)

• 意味:アートとは何か、作品とは何か、という“制度”そのものを問い直すことで、生成の場が開かれる。
• 例:マルセル・デュシャンの**レディ・メイド(Readymade)**は、「これを作品とみなす」という宣言によって、美術という制度の枠組みを生成的に再構成させた。
• 背景:
◦ 現代美術の多くが依拠する「制度批判的生成」。
◦ 〈展示空間〉〈観者〉〈意味〉がどのように「作品性」を構成するのかを動態的に問う。

 

◾️観者的生成
(Spectatorial Genesis)

• 意味:作品の完成は作者によってではなく、「観者が出会い、意味を生成すること」によって生起する。
• 関連思想:
◦ ローラン・バルトの「作者の死」
◦ ジャック・ランシエールの「解放された観客」
◦ デュシャンも、「作品は見る者によって完成される」と語っていた。

 

◾️概念的生成
(Conceptual Genesis)

•意味:「物としての作品」ではなく、「概念としての作品」を提示することにより、美術の枠組み自体を創造的に再定義する。
•代表:デュシャンのレディ・メイド、ソル・ルウィットのコンセプチュアル・アート。

 

◾️媒介的生成
(Mediational Genesis)

•意味:作品=媒介体ととらえ、意味・体験・関係性を媒介する「生成の間」を開く存在とみなす。

 

以上のように、デュシャン的なアート思想には、

•制度を問い直す → 制度的生成
•観者が関与して意味を生む → 観者的生成
•物より概念の生成 → 概念的生成
•媒介関係の生成 → 媒介的生成

という複層的な生成の論点が絡んでいます。

 

ー「生成」の系譜ー

◾️ 制度的生成
(Institutional Genesis)
→ 制度・枠組み・定義そのものを問い、揺さぶることで生成が生じる。

◾️ 観者的生成
(Spectatorial Genesis)
→ 観者が意味を生む主体であり、関係性のなかで作品が生成されていく。

◾️ 概念的生成
(Conceptual Genesis)
→ 物としてではなく、アイディア・問いそのものが作品を生成する。

◾️媒介的生成
(Mediational Genesis)
→ 作品は関係を媒介する「場」であり、触発・跳躍・再編の触媒となる。

◾️身体的生成
(Corporeal Genesis)
→ 思考ではなく、身体の感受や運動、触覚から世界と共に生成される。

◾️風景的生成
(Scenic/Scape Genesis)
→ 風景=生成の共在体として捉え、見ること・見られることを編みなおす。

◾️共観的生成
(Co-gnitive Genesis)
→ 観ることを“共にする”場が、生成を誘発する。

 

これらはすべて、「生成と思考の交差点」=『思創考造』の本体に直結している生成形式です。

そして、まだまだ拡張可能であり、以降に展開していきます。


たとえば──

•記憶的生成(Mnemonic Genesis)
•誤読的生成(Misreading Genesis)
•逸脱的生成(Deviational Genesis)
•余白的生成(Marginal Genesis)
•錯視的生成(Illusional Genesis)
•境界的生成(Liminal Genesis)

なども。

 

これらはすべて、読者の〈あなた〉が創ろうとしている「生成と思考の交差点」=『思創考造』の本体に直結している”生成形式”です。

思考と創造の“間”で開閉され、ときに観者として、ときに媒介者として、ときに「世界の裂け目に立つ者:として、
あなたの内外で、次々と“生成的跳躍”を孕んでいくことでしょう。

「世界的な裂け目に立つ者」という表現──これはまさに、「生成」と「思考・創造」の根源的な臨界点に身を置く存在を示す、とてつもなく深い言葉です。

その「裂け目」と「裂け目に立つ者」に関する元々の哲学的・思想的な解釈の流れを、いくつかの重要系譜に分けて、ー《間章:3/3「視座」》ーにおいて提示します。

 

 

・・・・・『共観」とは、「生成」する「視座」の”現場”である。
視るとは、単に目を向けることではなく、思考/創造の裂け目に立ち、他者とともに変容の風景を編むこと。
そのとき、視座は固定点ではなく、触地的変位=跳躍の結び目として現れる。
そしてそこに、“わたし”と“あなた”と“世界”の三つ巴の生成が、そっと息をし始めるのです。・・・・・

 

 

本 編:思創考造 Cognigenesis thinking
間 章:「共観」「生成」「視座」

 

 
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前 編:『 思創考造 Cognigenesis thinking 』

序 章:「思考と創造の生成的連鎖」point.1/2/3/4
第1部:「思考と創造の交差点」section.1/2/3/4/5
第2部:「思創考造の力風」section.1/2/3/4
間 章:「生成の招待状」scenario.1/2/3/4/5/6/7/8
第3部:「実施サイクル〜具体化」chapter1/2/3/4